U2『Sometimes You Can’t Make It On Your Own』 和訳&父への弔辞

U2『kite』 和訳&親子の絆
U2の『kite』という曲について紹介します。この曲はBonoが亡き父に対する思いが綴られた曲です。Bonoと父との思い出や関係性を見てくと『kite』という曲に対する理解の仕方が大きく変わります。そしてとても素晴らしい曲だということに気づきます。

前回の記事で紹介したBonoと、Bonoの父親の話にはまだ続きがあります。

※この記事は前回の記事(kite)の続きです。できれば前回の記事を読んでからこの記事を読んで頂くと、Bono親子のことをよく理解できると思います。

ボノはもう一曲、父親に向けた曲を書いています。

それが『Sometimes You Can’t Make It On Your Own』です。

父親の葬儀の際に、U2はこの曲を演奏して天国へ送り出しています。

和訳しました。

『Sometimes You Can’t Make It On Your Own』
作詞:Paul David Hewson(Bono)

Tough, you think you’ve got the stuff
You’re telling me and anyone
You’re hard enough

あんたは自分のことをタフだって思っている
俺にも他のみんなにも言ってたよな
すごく厳しい人間だって

You don’t have to put up a fight
You don’t have to always be right
Let me take some of the punches
For you tonight

戦わなくてもいい
いつも正しい必要はないんだ
今夜は、あんたが受けた痛みのいくつかを俺にも受けさせてくれ

Listen to me now
I need to let you know
You don’t have to go it alone

聴いてくれ
わかって欲しいんだ
独りぼっちで頑張る必要はないんだよ

And it’s you when I look in the mirror
And it’s you when I don’t pick up the phone
Sometimes you can’t make it on your own

鏡を見るとあんたが映っている (※ボノと父は顔がそっくりです)
俺が取らない電話はあんたがかけている
時には独りじゃできないこともあるんだ

We fight all the time
You and I…that’s alright
We’re the same soul
I don’t need…I don’t need to hear you say
That if we weren’t so alike
You’d like me a whole lot more

俺達はいつもケンカをしている
そう、あんたと俺だよ
俺達は同じ魂を持ってる
いいんだ…あんたの言うことなんか聞かなくてもいいんだ
「俺達がそんなに似てなかったら、
お前は俺のことをもっと気に入ったんじゃないか」なんてこと

Listen to me now
I need to let you know
You don’t have to go it alone

聴いてくれ
わかって欲しいんだ
独りぼっちで頑張る必要はないんだよ

And it’s you when I look in the mirror
And it’s you when I don’t pick up the phone
Sometimes you can’t make it on your own

鏡を見るとあんたが映っている
俺が取らない電話はあなたがかけている
時には独りじゃできないこともあるんだ

I know that we don’t talk
I’m sick of it all
Can – you – hear – me – when – I –
Sing, you’re the reason I sing
You’re the reason why the opera is in me…

俺達は口もきかない
そんなのうんざりだ
聴こえてるかい、俺の歌が
あんたのために歌ってるんだよ
俺の中にオペラがあるのは、あんたのおかげなんだよ

Where are we now?
I’ve got to let you know
A house still doesn’t make a home
Don’t leave me here alone…

俺達はどこにいるんだ?
あんたに教えなきゃいけない
家を建てただけじゃ、家庭にはならない
こんな家にひとりぼっちにしないでくれ

And it’s you when I look in the mirror
And it’s you that makes it hard to let go
Sometimes you can’t make it on your own
Sometimes you can’t make it
The best you can do is to fake it
Sometimes you can’t make it on your own

鏡を見るとあんたが映っている
行かせるのを難しくしているのはあんただ
時には独りじゃできないこともあるんだ
できることといったら、意地を張ることくらい
時には独りじゃできないこともあるんだよ

『kite』と『Sometimes You Can’t Make It On Your Own』は少し違う心情を歌っています。

『kite』では父親の死を達観したところで考えていて、死という誰にでも必ず訪れるものを一人の男として受け入れようとする心情を感じます。誰にでも共通する死への不変的な向き合い方を歌っています。

『Sometimes You Can’t Make It On Your Own』では、一人で頑張っていた父の心に寄り添った言葉や、自分が寂しかったことなど、良い感情も悪い感情も複雑に入り乱れた中で、1対1で語りかけている言葉になっています。
葬儀の時に歌ったことからも分かるように、弔辞とも言える内容ですね。

親子は一番近くにいる存在ですが、意外と相手の気持ちを理解してあげられない
親にも子にも、エゴや行き違いがあると思います
それが度を過ぎると確執につながっていくのだと思います

家に帰らずどこでも暴れ回り、理想を追うボノの行動は、昔気質の頑固な父親には理解し難かったかもしれません
また母親が急逝し、誰にも頼らず一人で子供たちを育ててきた父親の気持ちは、若いボノには分からなかったのでしょう

そんな関係だった父親にボノは『Sometimes You Can’t Make It On Your Own』を通して、こう言っている気がします。

「俺にはあんたのオペラ好きの血が流れているんだ」
「俺達は顔が似ているから鏡を見る度にあんたを思い出す」
「もう意地を張らないでこの歌を聴いてくれ」
「独りで頑張らなくてもいい、あんたがそばに居てくれさえすれば俺は嬉しかったんだよ」

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